敗戦の日を迎えて

私は今まで全国各地の教育機関を訪問し子供達に「平和」について語り続けてきました。今までお会いした子供さんの数は既に「万」を超えています。今年も特に8月は多くの講話依頼を頂きました。深く感謝しております。今から77年前の日本では「軍人が最も素晴らしい職業」「軍人になる事は名誉」「国の為に命を落とす事は素晴らしい事なんだ」と徹底した刷り込み教育が行われていました。

日本軍が負けるまでの期間、私達が住む日本では、平和を唱える者、日本軍の方針に反する言動をする日本国民(他国民のみならず)もまた、次々と連行され、厳しい尋問や、暴力、時に日本軍は日本軍に従わない日本人を殺す事もありました。皆さんは、その当時の「親」や「教員」の立場を想像した事がありますか。戦争に子供達を行かせたくないと思う「本音」を、日本軍の圧力によって「表現出来ない」という悲しみを。

戦争の事を語りだすと、私は胸がいっぱいになって、何時間でも話をしてしまいます。なので今日はここまでにしますが。日本軍が戦争に負けて77年。そして日本人とその周辺国が日本軍から解放されて77年。大日本帝国大元帥の立場にあった、昭和天皇は戦後「日本軍が負けた事は、日本国民にとって、かえって幸福な事だった」と語りました。その言葉の重みを私は忘れる事はありません。

どうか全国の皆さん。胸に手を当てて考えてみて下さい。次の77年の平和について。もし考えが浮かばなければ、どうか戦争の歴史を今一度、学びなおして頂ければ幸いです。歴史は勝者や権力者によって書き換える事も容易い事。戦争体験者が日々、お亡くなりになり続けている今日において、私達が歴史の真相に辿り着く事も難しくなりつつあります。世界の平和を心から願い、子供達の笑顔がずっとずっと続きます様に。