お話のプロとしての自覚

自衛隊の大学、防衛大学校の学生さん達と、お会いする機会がありました。そうしましたら、とある学生が「星川さんのお話は、お酒が入ってなくても笑が絶えない。アルコールなくして、ここまで話が盛り上がれる人はなかなかいないです」と言って下さって。聞く所によると、民間もそうかもしれませんが、特に自衛隊では「飲み会」で盛り上がる文化があるそうです。でも私はこう学生に言いました。

出張滞在先のホテルにて



「私もお酒が嫌いな訳ではありません。でも何かアルコール等を用いて盛り上がるのは、プロの仕事ではないですね。プロは何も使用しなくても、人を酔わせるのではなく、楽しませる事が出来ます。何かお金をかけて場を盛り上げようとする事は誰にでも出来るでしょう。でも、本物は言葉だけで十分です。だから私は人前でお酒を飲まないのです。それがプロとしての自覚だと感じています。」

 

人は心が寂しくなった時に、あるいは孤独を感じた時に、何かに依存しがちです。お金を使い、脳みそを麻痺(お酒、煙草、薬物等々を含む)させ、一時的に何かが満たされたにしても、その麻痺が消えて、現実の世界に戻った時、更に強い、かつ継続的な麻痺を要求しようとしまいます。だからこそ、人の心を継続的に健康な状態で維持する為に必要なのは、愛情に溢れる言葉(心)なのだと思います。