何故、貧しさは継承されるのか

先日、現役の学生さんに「一度、スイートルームやビジネスクラスなどを利用してみるのも悪くないと思います」とアドバイスをした事がありました。その学生さんは決して豊かな家庭の生まれではありませんでしたが「豊かになりたい」という強い野心が、その学生にはありました。しかし親御さんにそれを話したら「ホテルなんか泊まれればいい。何で、わざわざ高い部屋に泊まる必要があるのか。節約しろ。」と言われたそうで。

まだ学生さんですから「親の影響」は大きく受けますから、私はそれ以上言及もしなかったのですが。これの現象を「貧しさの継承」と私は名付けています。私は決して学生に「ただ単に贅沢をしてきなさい」という意味で言ったのではないのです。私は「上質なものに触れて、社会において成功する為に必要な事をしっかりと学んできて欲しい」という趣旨でアドバイスをしました。つまり自己の未来への経験則投資です。

人は成功をしたいと考えた時「投資」「不動産」「セミナー」「読書」「〇〇ビジネス」「転職」「貯金」「積立」などなど、物質的なものや知識ばかりを追い求めて成功を得ようと努力しますが「(未来に繋がる)上質な経験則」を身に着ける努力をする人は多くありません。だからこそ「成功者」とは、なかなか生まれず、貴重な存在となっていくのです。

親が「安ければ何でもいい」と言えば、子供は一生豊かさを得られないでしょう。しかし「富裕層」や「成功者」がどんな暮らしぶりをしているのか、どんな思考を持っているのか、どんな接遇を受けているのかなど、実際に経験して学んでみなければ、自らも豊かになる事は、限りなく遠い存在となってしまいます。

だいたい「セミナー」「みんなで稼ごう!」系は、単なる富裕層の餌食になるだけです。意味もなくサクセス本を読めば、著者の印税に貢献するだけ。私はセミナーも参加しませんし、読書もしません。ただ今、私自身の事を社会において救ってくれているのは、親を始めとする教育担当者が与えてくれた「未来に繋がる経験則」それだけなのです。

私も常日頃、周囲の人間には「お金は貯めてはいけない。バンバン使いましょう。でも社会や自らの未来になる為に使い、その場しのぎの単なる浪費だけはしないように。」と強く伝えています。成功したいのであれば「群れて」はいけません。成功者の餌食になってはいけません。私は良き仲間達にはどうか「良き経験則を」と常日頃願っています。