怒鳴られる、有難み

以前、私の強い希望により「ワクチン接種会場」での勤務が実現し、それによって発生した労働賃金は寄付をさせて頂いたというお話をしたかと存じます。実は今回も、私の強い希望により「深夜の現場作業」の仕事に入らせて頂く機会を頂きました。

勤務時間は深夜23時から翌朝の5時まで。勤務内容はひたすらチームを組んで「重量物」を運び続け「深夜帯」+「足腰への強い負担」と重なり、とても過酷な労働条件だったかと存じます。加えて現場では何一つ特別扱いも受けませんから「そこのお兄さん、これ!こっち運んで!」「そこのバイト達!何で何回言っても分かんねぇかなぁ」「そこ入るなって言ってんだろ!」などなど私のからすると興味深い日本語が沢山飛び交う訳ですね。

ただ私の普段の暮らの中において、周囲の方々は常に「星川に失礼に無いように」「粗相が無いように」と慎重に慎重に扱って下さるのですが、考え方を変えてしまえば、これらの現象は失礼ながら「退屈な毎日」とも考えられる訳でございます。やはり思った事を素直にダイレクトに伝えて頂けるという喜びを、この現場作業で感じる事が出来ました。それに普段「命令」される事や「怒鳴られる」なんて事がないものですから。とても新鮮で、色々と勉強にもなりました。

加えて再認識した事は、職業に「優劣」など無いという事です。一般的に「先生」とか「経営者」と呼ばれている方々が偉いのでしょうか。いや、決してそうではありません。こういった現場での「一つ一つの尊いご勤務」こそが、我が国や世界の発展に大きく寄与しており、実際に自らの現場に入る事により、世の中に対する「ありがとう」の気持ちが深まっていくのではないかと考えます。

勤務の最後に「お弁当」が手渡されました。白米の上に、お肉が半分に切られたカツ丼。栄養バランスも取れていませんし、加えてテーブルも用意されていないので、地面に座って頂く。衛生面上も問題があるのかもしれませんが、こういった事に「汚い」「やりたくない」「それは学歴が無い人がする事」などの様に、世の中を見下すような人間にだけは私は決してなりたくないと感じます。

この様な貴重な機会を与えて下さった関係者の皆さん、現場で写真撮影の対応をして下さったスタッフの方、そして不測の事態にそなえて、現場作業に同行して下さった方々にも心から感謝申し上げたく存じます。今回の勤務で得ました収入もまた、全て寄付をさせて頂く予定です。どうか、様々な場所において過酷な労働環境下、社会を支えて下さっている尊い存在がある事を忘れないで頂ければと思います。