日本軍に言い返す彼女

戦時中、歌手は自由に歌を歌えませんでした。簡単に言えば「戦争を応援する歌」のみステージの上で歌う事を許され、演目には必ず「軍歌」を入れる様に厳しく制限を受けながらの歌手生活だったのです。戦意高揚と当時は言ったのですが、これに反する様な歌詞も許されなかったのです。そういったレコードは次々と販売禁止になりました。

そして戦時中、歌い手は次々と「慰問」に駆り出されました。戦地への慰問ではドレスなど「戦争にそぐわない衣装」を着る事さえも許されませんでした。しかしとある歌手は「ドレス」を着てステージに上がりました。勿論、軍人から「贅沢は敵だドレスを着替えろ」と舞台袖で彼女に怒鳴り散らしました。

しかし彼女は軍人に対して果敢に「歌手にとって化粧やドレスは戦闘準備なのよ!あなた達が鉄カブトをかぶって戦場に向かうのと同じ。歌手のステージでの化粧は贅沢ではありません!」と言い放って、素敵なドレスで歌を披露し、軍歌ではなく海外で人気のメロディーを次々と歌い上げました。

私は、このエピソードを聞いた時に、当時の莫大な軍事費から比べたら、歌手のドレス1着やメイクなんぞ雀の涙であり、決して贅沢ではなかったのかもしれません。それよりも感動したのは、あれだけの監視や圧力を受けていながら当時の日本軍に対して「違うだろう」と言えた彼女の勇気ですよね。私も見習う部分は沢山あるなと思いました。

皆さんは、どうでしょうか?日本は「お国柄」からか…監視が多い生活下に巻き込まれる事が多いですよね。周囲の目が気になりやすい環境。でも間違っている事は間違っていると、そして自分が思った事は「ビシ」っと言えるような勇気と正義を持ち合わせて生きていく事はとても大切な事ではないでしょうか。周りがどう思っていようとも、100人いて99人が間違っている事もあります。皆さんの勇気ある言動1つ1つがこの国を救ってくれるものと信じたいものです。

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