愛のネイティブになろう

私は会社員時代「後輩」や「部下」を呼び捨てにしたり、いきなりタメ口で話しかけたりする事は一度としてありませんでした。つまり一般的に言われている「人を雑に扱う」という事をしてこなかったのです。その理由は簡単です。私の歴代の上司や先輩方が、私を呼び捨てにして呼びつけたり、命令をしてきたりする事なく、私を雑に扱わずに、愛情を持って常に優しく接してきて下さったからです。

これは言葉と一緒ですよね。綺麗な言葉の中で育てば子供はいつの日か美しい言葉を話す大人になりますし、間違った(汚い)言葉の中で育てば、いつの日か間違った(汚い)言葉使う大人に育ちます。つまり言葉に「ネイティブ」という表現がある様に、愛情や心にも「ネイティブ」が存在するのだと私は信じています。

街中で大声を出しながら暴れている人がいるとします。勿論、誰もケガなどをしなかったという大前提でお話をします。この事に対して、皆さんは、どういった感想を持つでしょうか。愛されて育たなかった人は「変人がいる」「撮影してSNSであげてやろう」「俺がおさえつけてヒーローになってやる」「話のネタにしてやろう」「うまく逃げ切らなきゃ」等々と、自分の心を満たす為の考えを持つでしょう。

しかし愛情深く育てられた人間なら「暴れている彼を、なぜあの様にさせてしまったのか。ある意味、彼も社会の犠牲者なのではないのか。精神的に追い込まれている方々の少しでも助けになりたい。世の中を少しでも良い方向に変えていきたい。」とネタにするどころか、使命感を持って他人事にしようとしません。どれだけ「人」に愛されたかは、どれだけ「人」を愛せるかの指標になるのです。

さて、今回の渡米では私の大切なゲストをヘリコプターにて「グランドキャニオン」まで、お連れしました。私は仕事柄、何度もグランドキャニオンを訪問した事があるのですが、何度も見てもやはり感動します。ヘリでグランドキャニオンの谷底に降り立ち、そしてシャンパンなどが振舞われました。ゲストの笑顔を見て、私も「お連れして良かったな」と心から思いました。本当に人の笑顔は、ダイヤよりも眩く心の中で輝くものです。