メディアを利用する大切さ

1953年(昭和28年)上皇陛下が皇太子だった時代のお話です。エリザベス女王戴冠式に参加する為、皇太子(当時)は訪英をしました。敗戦から間もない時代ですから英国では日本軍による英軍捕虜の問題などから「反日感情」がくすぶっていました。皇太子訪英の当初、やはり英国のメディアでは「皇太子の訪英」に対して否定的な記事が多く目立ちました。

しかし皇太子には直接的な戦争責任もありませんでしたし、日英友好を優先的に考えていた当時のチャーチル首相は、メディアの経営陣を皇太子との会食会に招き「日英友好の為に配慮してほしい」と懇願をしたという逸話が残っています。その後、メディアは皇太子の訪英を好意的に報じる様になり、日英の関係修復の原点の1つになったとされます。

この様に、平和や友好の為にメディアは貢献をする事も出来るのです。だからこそ、私はメディアの力を借りて多くの方々に事実を知って頂き、平和的な解決の為に心を寄せて頂く事は大切な事と思っています。メディアに真実を伝える事は「裏切り者」ではありません。それは立派な功労者であり、一つの社会貢献だと私は考えています。

しかし真実を隠蔽したり、歪曲したり、事実無根な情報を流すことはメディアであっても、組織単位であっても、一個人であっても、やってはならない事だと私は感じます。それが権力者による陰謀であったとするならば、罪が軽くない事は事実です。どの国に属する国民であっても、どの組織に属する人員であっても「真実を知る権利」があります。

そして人々は「真実」に基づいて「公正」「公平」な判断と共に、良心というものを培っていかなければならないと私は感じています。人が物事を判断する時「正しい情報」は必要不可欠です。真実を伝えようとする人を迫害したり、闇に葬り去ったり、逆に、事実でない事を宣伝している人が、容認されてしまったりする事は決して許される事ではないと私は考えています。私はメディアと人々の良心に未来を託したいと思います。

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