西太后って悪女なの？？？
ここ頤和園は西太后が軍事費を悪用して私欲の為だけに作り上げた、西太后の為だけの別荘だと皮肉を込めて説明がなされています。頤和園の面積は約290万㎡。東京ドーム62個分あります。その軍事費の悪用により国家が弱体化していった。そう中国では説明がなされています。
しかし歴史を紐解いていくと、それが嘘であった事が明確です。西太后を中国では「清朝打倒のネタ」として使い、そして中国を植民地化したかったイギリスでは、中国の植民地政策の正当性を主張する為の材料の一つとして、西太后は利用されました。英国スパイは「中国は西太后に苦しめられている。西太后に奴隷のような扱いを受けている。我々が救ってあげよう。」という、西太后の「事実無根の悪女伝説」を捏造し、それを書籍化して世界に出回り、嘘が事実に様になってしまったのです。
しかし事実はこうです。当時の西太后の命令を分析すると、当時、清朝は経済事情が悪く国内では「失業者」が溢れかえっていました。それを知った西太后は、国費を軍事費にではなく、この頤和園の修復作業に予算捻出して、国内の雇用を増やそうとしました。西太后は女性であり、皇帝の妃という立場であったのにも関わらず、時の皇帝、光緒帝を、ここ頤和園に幽閉しました。この事件も中国では「西太后批判（皇帝を幽閉し毒殺をしたという内容にて）」のネタとして使われています。
しかし光緒帝が幽閉される前日、光緒帝は日本の伊藤博文（元首相）と面会をし、国難打開の策の一つとして外国から政治家を招こうとした。しかし西太后の耳には「若き皇帝を騙して、列強が中国の植民地化を狙っている」という正しい情報が入っていました。つまり光緒帝が、そのまま列強に流されて政治を行えば中国が植民地になってしまうという懸念から西太后は光緒帝を幽閉し、西太后は中国の独立を守ろうとしました。
事実として西太后は亡くなるまで、中国の独立を守り続けました。しかし西太后の死後たった４年で清朝は滅亡。如何に実は西太后が優れた政治家だったかが分かる、歴史上の事実だと思います。しかし今でも世界中の至る所で、西太后の評判は「悪女」として扱われ、決して好意的に思っている人は多くありません。つまり歴史をしっかりと学んでいけば分かる新事実も多いという事ですね。
