防大の人権問題と向き合った日々

今の防衛大学校の学生さん達は、本当に幸せだと思います。確かに、コロナの行動規制でしたり、新入生や学校に馴染めない方々には大変と感じられるかもしれませんが。私が最初に防衛大学校の人権問題に直面した時は、血の気が引きました。部内ではよく「暗黒時代」という表現をしていますが、多くの部内者は「犯罪行為」「人権侵害」「セクハラ」だという認識が無く、つまり多くの方々が「罪の意識無く」犯罪行為を当たり前の様に「指導の一環」として繰り返していたのです。私はこの現実と直面をして「防衛大学校」を正常な教育機関に変えていきたいという熱意を持ちました。

f:id:masashihoshikawa:20210502090951j:plain部内でも「防大を変えていこう」という発信はありましたが、全て力付きで消えていっていました。結局、元関係者、保護者さん、弁護士さん、そして最後には司法の場で事実を公にして頂いて「外圧」によって変えていくという方法しか防衛大学校の人権問題を解決する方法はありませんでした。有難い事に私の提案を主として、多くの関係者の方々が動いて下さいました。なので現在の防衛大学校は、所謂「暗黒時代」から比べたら、大きく良い方向に変わってきています。

毎年、1年生達と会うたびに「学校生活どうですか?」と質問をするのですが、確かになれない学校生活で大変そうではありますが、暗黒時代の1年生が言っていた様な、人権侵害、暴力、パワハラ、などが関連してくるワードが出てこなくなりましたから、言葉では「防大生活大変だとは思いますが応援していますね」と言いつつも、本当に良い時代になったなと思いました。

ただ勘違いしていけないのは、行き過ぎた指導が無くなったからと言って、教育を甘いものにして良いという訳ではありません。暴力、圧力、人権侵害などを利用して「力」で押さえつけてきた指導が出来なくなってきたのですから「言葉の力」を駆使して、上級生は下級生を導いていかなくてはなりません。今でも「威圧的な指導」「無駄な指導」は沢山残っていますが、これからは生産性良く「心」と「心」で会話をして、立派になって幹部候補生学校へ、あるい民間人として巣立っていって頂きたいものです。

防衛大学校にで人権侵害で苦しまれた学生の皆さん、心身を傷つけられただけでなく、最後には命をも奪われた学生さんや、そのご家族を覆う時、今もなお私は心安らかなる時を知りません。卒業や退職後も、そのトラウマが忘れられず、自殺してしまった方々も多く私は知っています。少子高齢化の時代になり、人材の流失は大きな損失です。人が「辞めたい」と思わない企業体質を防衛省だけでなく、所謂ブラックと言われている企業各社は取り組んでいく必要があると私は痛感しています。

人の命と人生を預かる覚悟で

皆さんは適切な「教育」が出来ていますか

pc.moppy.jp